3つの層 — 症状と、原因が見えない理由
同じ「EAが思ったとおりに動かない」でも、症状の形で原因の層が変わります。
層を混ぜると、約款の問題を資金の問題として何時間も追うことになります。
第1層:アクセスの層(その口座で動かしてよいことになっているか)
症状:1件も注文が出ない/バックテストは動くのに実口座では何も起きない
止まっている場所:発注より手前。コードを読む前、ログを開く前の地点です。
この層はバックテストでは原理的に再現しません。Strategy Testerは約款もプランもOSも提供期限も見ないためです。検証環境がどれだけ正常でも、実運用でだけ起きます。ログを1件ずつ読んでも原因は出てきません(原因がログの外にあるため)。
次に確認すること
- 使っている口座の6ゲート(約款・外部連携・発注機能・口座タイプ・版とOS・提供期限)を1つずつ確認する
- 約款PDF内を「システム売買」「自動売買」で検索する
- 同じ会社でも口座タイプ・プランが違えば結論が変わるため、自分の契約プラン名を確認する
第2層:数量の層(その資金で、そのロットが建つか)
症状:出る時と出ない時がある/同じEAなのに口座を変えたらエントリー数が違う
止まっている場所:注文は出せています。最小取引単位・必要証拠金・口座残高の関係で止まっています。
バックテスト単体では検出できません。Strategy Testerの初期証拠金は自分で入力した仮の値で、実口座の残高・拘束証拠金・既存ポジションとは無関係だからです。だから「コードは同じなのに結果が違う」が起きます。ただしテスターの証拠金設定を実口座に合わせれば再現します。
次に確認すること
- 最小取引単位 × 必要証拠金 ≦ 口座残高 が、EAの最大同時ポジション数まで成り立つか計算する
- 必要証拠金は通貨ペアごとに違う場合があるため、実際に使うペアで確認する
- ロスカット・マージンコール水準を確認する(建った後に維持できるかは別の条件)
第3層:コストの層(引いた後に円でいくら残るか)
症状:件数も方向も勝率も合うのに、損益だけが合わない
止まっている場所:執行は合っています。スプレッド・スワップ・手数料・VPS費用の層です。
この層も、テスターのコスト設定を実口座に合わせれば再現します。逆に言えば、設定を合わせずに比べている限り永久に一致しません。
次に確認すること
- 実口座の平均スプレッド(原則固定でも変動する時間帯がある)を実測する
- スワップポイントを保有日数ぶん計上する
- 取引手数料・VPS費用を月額で引く
国内12社のEA可否(公式出典・確認日つき)
各社の公式サイトの記載から確認できた範囲です。「公式一覧に記載がない」ことは「非対応」の根拠になりません。
確認できなかった4社は「未確認」のまま掲載しています。条件は変わるため、申込前に必ず公式でご確認ください。
利用できる 外為ファイネスト(ファイネストFX)
MT4とMT5の両方を提供。公式が「EAの利用制限を設けておりません。ご自身で購入・作成されたEAを自由にお使いいただけます。また、スキャルピング制限もありません」と明記している。
- 「制限なし」は公式の文言そのまま。取引ルール・約款側に別途の条件がある可能性は未確認
出典: 公式サイト(確認日 2026-08-17)
利用できる フィリップ証券(フィリップMT5)
MT5のみ提供(MT4の提供なし)。公式が「通常の『裁量取引』のみならず、プログラムに沿って行う『自動売買』も可能」と明記。自社製の無償EA・インジケーターも配布している。
- MT4は提供されていないため、MT4用EAをそのまま持ち込むことはできない
出典: 公式サイト(確認日 2026-08-17)
条件つき FOREX.com
MT4口座あり(1,000通貨相当から・EA利用可、対応EA多数の記載)。ただし総合口座とMT4口座の2体系で、どちらの口座かによって扱いが変わる。
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)
条件つき FXTF(FXTF MT4)
FXTF MT4を提供中でEA自動売買が可能。ただし公式は「MT4 PCインストール版では、EAという自動売買ソフトウェアを使ったFX自動売買ができる」と版を限定して書いている。
- EAが使えるのはMT4のPCインストール版のみ(PCウェブブラウザ版・スマホアプリでの可否は同じ文からは読めない)
- 公式の動作環境で「MacOS・Windows RTはサポートしておりません」と明記=Mac対応の版とEA可の版が排他
- 24時間稼働には「別途VPSのご利用が必要です」と公式が明記
- ⚠️ FXTF MT5は2026-09-01に提供開始したが、対象は商品CFDと暗号資産CFDで、**FXは「Coming Soon」**(2026-09-20時点でFXのMT5取引はできない)
- MT5はサービスごとに専用口座が必要と公式が明記=FXTFのFX口座をそのままMT5では使えない
- MT5のPCインストール版の動作環境はWindows 11(Macの記載なし=版とOSの条件はMT5にも存在する)
- MT5でのEAは「検証を効率化」の文脈でのみ記載され、当該ページに「自動売買」の語は0件=**EAでの自動発注可否は未確認**
出典: 公式サイト(確認日 2026-09-20)
条件つき OANDA証券
プラン制。裁量プラン=MT5(EA非対応)/スタンダードプラン=MT4・MT5(EA対応)。「同一口座でMT4/MT5/独自ツールを自由に選べる」わけではない。
- EAを動かすにはスタンダードプランである必要がある
- 東京サーバーのMT4は新規注文停止 2026-09-26/提供終了 2026-11-28(デモ口座も対象)
- 移管ではEA・インジケーター・チャート設定は引き継げないと公式が明記
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)
条件つき 楽天FX(楽天証券)
楽天FX口座とは別に「楽天MT4口座」がある(別口座・別ルール)。
- 通常の楽天FX口座ではなく、楽天MT4口座を開く必要がある
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)
利用できない JFX(MATRIX TRADER)
公式MT5ページに「チャート分析専用となり、発注機能は実装されていません」と明記。発注はMATRIX TRADERで行う。発注機能が無いためEAによる自動発注もできない。約款でもシステム売買は禁止行為に挙げられている。
- MT4は2026-08-19に提供終了済み(MT5へ移行)
- MT4の設定はMT5へ引き継ぎ不可
- MT4・MT5ともデモ口座の提供なし
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-28)
利用できない GMOクリック証券 FXネオ
公式FAQが「メタトレーダー4(MT4)など外部取引ツール・自動売買ツールとの連携には対応していない」と明記。外部ツール連携そのものに対応していない。
- 無断利用が確認されると取引制限の可能性があると公式が記載
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-15)
未確認 DMM FX
公式のツール一覧にMT4の記載がないため非対応と推定されるが、「非対応」と明言する公式記載は取得できていない。
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-15)
未確認 松井証券 FX(MATSUI FX)
現行の公式ツール一覧ではFXアプリとFXトレーダー・プラスが案内されているが、MT4・MT5・EAの対応可否を明記した現行公式ページは確認できていない。
出典: 公式サイト(確認日 2026-08-30)
未確認 セントラル短資FX(FXダイレクトプラス)
公式サイトマップ全172リンクを含め、MT4・MetaTraderの語が0件。ただし「非対応」との明示記述も見つかっていないため未確認として扱う。
出典: 公式サイト(確認日 2026-07-28)
未確認 SBI FXα(SBI証券)
台帳に確認済みの値がない。公式の記載を未取得。
出典: 未取得