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EA執行可能性の診断

EAが思ったとおりに動かない。
原因は3つの層のどれかです。

コードを疑う前に確認する場所があります。症状の形から、いま自分がどの層で止まっているかを3問で切り分けます。 「どのEAが勝てるか」は扱いません。扱うのは「そのEAが、その口座で、そもそも動くのか」だけです。

最終更新: 2026年9月20日

3問で切り分ける

Q1 いま起きている症状に一番近いものは?
Q2 EAを動かそうとしている口座は?
Q3 動かしている環境は?

3つの層 — 症状と、原因が見えない理由

同じ「EAが思ったとおりに動かない」でも、症状の形で原因の層が変わります。 層を混ぜると、約款の問題を資金の問題として何時間も追うことになります。

第1層:アクセスの層(その口座で動かしてよいことになっているか)

症状:1件も注文が出ない/バックテストは動くのに実口座では何も起きない

止まっている場所:発注より手前。コードを読む前、ログを開く前の地点です。

この層はバックテストでは原理的に再現しません。Strategy Testerは約款もプランもOSも提供期限も見ないためです。検証環境がどれだけ正常でも、実運用でだけ起きます。ログを1件ずつ読んでも原因は出てきません(原因がログの外にあるため)。

次に確認すること

  1. 使っている口座の6ゲート(約款・外部連携・発注機能・口座タイプ・版とOS・提供期限)を1つずつ確認する
  2. 約款PDF内を「システム売買」「自動売買」で検索する
  3. 同じ会社でも口座タイプ・プランが違えば結論が変わるため、自分の契約プラン名を確認する

第2層:数量の層(その資金で、そのロットが建つか)

症状:出る時と出ない時がある/同じEAなのに口座を変えたらエントリー数が違う

止まっている場所:注文は出せています。最小取引単位・必要証拠金・口座残高の関係で止まっています。

バックテスト単体では検出できません。Strategy Testerの初期証拠金は自分で入力した仮の値で、実口座の残高・拘束証拠金・既存ポジションとは無関係だからです。だから「コードは同じなのに結果が違う」が起きます。ただしテスターの証拠金設定を実口座に合わせれば再現します。

次に確認すること

  1. 最小取引単位 × 必要証拠金 ≦ 口座残高 が、EAの最大同時ポジション数まで成り立つか計算する
  2. 必要証拠金は通貨ペアごとに違う場合があるため、実際に使うペアで確認する
  3. ロスカット・マージンコール水準を確認する(建った後に維持できるかは別の条件)

第3層:コストの層(引いた後に円でいくら残るか)

症状:件数も方向も勝率も合うのに、損益だけが合わない

止まっている場所:執行は合っています。スプレッド・スワップ・手数料・VPS費用の層です。

この層も、テスターのコスト設定を実口座に合わせれば再現します。逆に言えば、設定を合わせずに比べている限り永久に一致しません。

次に確認すること

  1. 実口座の平均スプレッド(原則固定でも変動する時間帯がある)を実測する
  2. スワップポイントを保有日数ぶん計上する
  3. 取引手数料・VPS費用を月額で引く

第1層は「○か×か」ではなく、直列の6ゲート

「MT4対応 ○/×」の1列では、約款で止まっている会社と、外部連携に非対応の会社と、 版とOSの条件で止まっている会社が同じ「×」に潰れます。実際には条件が6種類に分かれ、 どれか1つでもNOなら、その先は全部意味がなくなります。上のゲートほど技術で回避できません。

ゲート問い実例
G1 約款 約款でシステム売買が許可されているか JFX:公式MT5ページに「システム売買など約款で禁止する行為」と記載
G2 外部連携 外部ツール連携そのものに対応しているか GMOクリック証券:外部取引ツール・自動売買ツールとの連携に非対応
G3 発注機能 そのプラットフォームに発注機能が実装されているか JFX:MT5チャートは分析専用で発注機能が未実装
G4 口座タイプ その口座タイプ・プランがEA対応か OANDA証券:裁量プランはEA非対応、スタンダードプランは対応
G5 版とOS その版・そのOSで動くか FXTF:EAが使えるのはMT4 PCインストール版のみ。MacOSはサポート外
G6 提供期限 その提供が期日で終わらないか OANDA証券:東京サーバーMT4は2026-11-28に提供終了(デモも対象)

国内12社のEA可否(公式出典・確認日つき)

各社の公式サイトの記載から確認できた範囲です。「公式一覧に記載がない」ことは「非対応」の根拠になりません。 確認できなかった4社は「未確認」のまま掲載しています。条件は変わるため、申込前に必ず公式でご確認ください。

利用できる 外為ファイネスト(ファイネストFX)

MT4とMT5の両方を提供。公式が「EAの利用制限を設けておりません。ご自身で購入・作成されたEAを自由にお使いいただけます。また、スキャルピング制限もありません」と明記している。

  • 「制限なし」は公式の文言そのまま。取引ルール・約款側に別途の条件がある可能性は未確認

出典: 公式サイト(確認日 2026-08-17)

利用できる フィリップ証券(フィリップMT5)

MT5のみ提供(MT4の提供なし)。公式が「通常の『裁量取引』のみならず、プログラムに沿って行う『自動売買』も可能」と明記。自社製の無償EA・インジケーターも配布している。

  • MT4は提供されていないため、MT4用EAをそのまま持ち込むことはできない

出典: 公式サイト(確認日 2026-08-17)

条件つき FOREX.com

MT4口座あり(1,000通貨相当から・EA利用可、対応EA多数の記載)。ただし総合口座とMT4口座の2体系で、どちらの口座かによって扱いが変わる。

  • 総合口座ではなくMT4口座を開く必要がある

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)

条件つき FXTF(FXTF MT4)

FXTF MT4を提供中でEA自動売買が可能。ただし公式は「MT4 PCインストール版では、EAという自動売買ソフトウェアを使ったFX自動売買ができる」と版を限定して書いている。

  • EAが使えるのはMT4のPCインストール版のみ(PCウェブブラウザ版・スマホアプリでの可否は同じ文からは読めない)
  • 公式の動作環境で「MacOS・Windows RTはサポートしておりません」と明記=Mac対応の版とEA可の版が排他
  • 24時間稼働には「別途VPSのご利用が必要です」と公式が明記
  • ⚠️ FXTF MT5は2026-09-01に提供開始したが、対象は商品CFDと暗号資産CFDで、**FXは「Coming Soon」**(2026-09-20時点でFXのMT5取引はできない)
  • MT5はサービスごとに専用口座が必要と公式が明記=FXTFのFX口座をそのままMT5では使えない
  • MT5のPCインストール版の動作環境はWindows 11(Macの記載なし=版とOSの条件はMT5にも存在する)
  • MT5でのEAは「検証を効率化」の文脈でのみ記載され、当該ページに「自動売買」の語は0件=**EAでの自動発注可否は未確認**

出典: 公式サイト(確認日 2026-09-20)

条件つき OANDA証券

プラン制。裁量プラン=MT5(EA非対応)/スタンダードプラン=MT4・MT5(EA対応)。「同一口座でMT4/MT5/独自ツールを自由に選べる」わけではない。

  • EAを動かすにはスタンダードプランである必要がある
  • 東京サーバーのMT4は新規注文停止 2026-09-26/提供終了 2026-11-28(デモ口座も対象)
  • 移管ではEA・インジケーター・チャート設定は引き継げないと公式が明記

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)

条件つき 楽天FX(楽天証券)

楽天FX口座とは別に「楽天MT4口座」がある(別口座・別ルール)。

  • 通常の楽天FX口座ではなく、楽天MT4口座を開く必要がある

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-13)

利用できない JFX(MATRIX TRADER)

公式MT5ページに「チャート分析専用となり、発注機能は実装されていません」と明記。発注はMATRIX TRADERで行う。発注機能が無いためEAによる自動発注もできない。約款でもシステム売買は禁止行為に挙げられている。

  • MT4は2026-08-19に提供終了済み(MT5へ移行)
  • MT4の設定はMT5へ引き継ぎ不可
  • MT4・MT5ともデモ口座の提供なし

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-28)

利用できない GMOクリック証券 FXネオ

公式FAQが「メタトレーダー4(MT4)など外部取引ツール・自動売買ツールとの連携には対応していない」と明記。外部ツール連携そのものに対応していない。

  • 無断利用が確認されると取引制限の可能性があると公式が記載

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-15)

未確認 DMM FX

公式のツール一覧にMT4の記載がないため非対応と推定されるが、「非対応」と明言する公式記載は取得できていない。

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-15)

未確認 松井証券 FX(MATSUI FX)

現行の公式ツール一覧ではFXアプリとFXトレーダー・プラスが案内されているが、MT4・MT5・EAの対応可否を明記した現行公式ページは確認できていない。

出典: 公式サイト(確認日 2026-08-30)

未確認 セントラル短資FX(FXダイレクトプラス)

公式サイトマップ全172リンクを含め、MT4・MetaTraderの語が0件。ただし「非対応」との明示記述も見つかっていないため未確認として扱う。

出典: 公式サイト(確認日 2026-07-28)

未確認 SBI FXα(SBI証券)

台帳に確認済みの値がない。公式の記載を未取得。

出典: 未取得

第3層(コスト)は、この表では答えが出ません

スワップポイント・MetaTrader系の取引手数料・VPS費用は、上の台帳に収録がありません。 ここは読者ご自身で埋める欄です。埋めないまま損益を比べている限り、検証結果と実運用は一致しません。

  • 実口座の平均スプレッド(原則固定でも変動する時間帯があります)
  • スワップポイント × 保有日数
  • 取引手数料(MetaTrader系は別建てのことがあります)
  • VPSの月額費用
  • 検証ツール側のコスト設定を、上の実測値に合わせているか

この診断でわかること/わからないこと

わかること:症状の形から、確認すべき層と、その口座について公式で確認できている事実。

わからないこと:そのEAが利益を出せるかどうか。本ページは売買の助言・推奨・シグナルの提供を行いません。

FXには元本割れや、預け入れた資金を上回る損失が発生するリスクがあります。 各社の条件・提供状況は変更されることがあるため、口座開設や運用の判断は必ず公式サイトの最新情報をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

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